葬式の基礎知識(1/3)

会の活動報告

人生の最期を迎える本人・家族のための葬儀のポイント

望月 進 氏 (株式会社博善社 取締役)

親しい人を失うのは大きな悲しい出来事です。葬儀は別れの儀式であると同時に、残された人々がこの悲しみを乗り越えて新しい出発点に立つという甦りの儀式であるという大切な意義を持っています。
整然とした美しい葬儀こそ亡き人への何よりのはなむけであり、ご遺族にとって新たな社会生活、人間関係を築くための厳粛な儀式です。

一 ご逝去後の手順

①近親者に連絡。

②死亡診断書の受領――
「死亡診断書」を病院で受領し、診断書の記載項目に記入漏れや不備がないかを必ず確認します。
 突然の死亡や事故等の場合は、警察の指定医(検死)により検案が行われ「死体検案書(死亡診断書)」が発行されますが、行政解剖の場合は、死因が特定されるには1か月程度の時間がかかります。

③葬儀社との打ち合わせ――
ご遺体の安置場所を決めて寝台車の手配をします。

④葬儀式場、葬儀日程を決める――

親族、会葬者の人数などにより、式場を決定し火葬場の手配をして、葬儀式場、日程を決めます。

⑤お寺へ連絡――
菩提寺がある方は必ず菩提寺に連絡して、日時、場所の了解を取ります。お寺の都合によって日程を変更する場合があります。

⑥親族・会社などに連絡――
葬儀日程などを連絡リストにより連絡します。

⑦「死亡届」の提出――
死亡届は7日以内に、死亡の場所か故人の本籍地または届人の所在地の役場に提出し、「火葬(埋葬)許可証」を発行してもらいます。

⑧湯かん(納棺)――
安置する場所は、仏壇がある部屋か、涼しい畳の部屋で。枕は北枕に、北枕が難しい場合は西枕で。
 枕元に枕飾りを設け、ご遺体を湯かん師の手により身支度させます。故人の気に入っていた服を着せることもできますし、愛用品を一緒に納めることもできます。
 納棺は大切な儀式なので、身内の方はできるだけ同席します。

⑨遺影写真の準備――
一般的に、最近の写真を選ぶことが多いのですが、固執する必要はありません。微笑んでいる写真など、普段の故人を思い出させるような写真を選ぶようにします。

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(2019年5月 総務委員会)