2025年2月2日より、高橋酒造株式会社は葵酒造株式会社に社名変更しました
2025年2月2日、高橋酒造株式会社(本社:新潟県長岡市、代表取締役:青木里沙)は、社名を「葵酒造(あおいしゅぞう)株式会社」(英語名:Aoi Brewery, Inc.)へと変更いたしました。
社名変更の背景
私たちは、2024年12月に新しい体制になり、これまで受け継がれてきた伝統を切にしながら、新たな時代にふさわしい酒造りに挑戦し、本酒の可能性を広げていくことを指しています。今回、現在の体制および今後発売する商品との親和性をめ、よりスムーズな企業認知を実現するために、社名を変更することを決定しました。
「葵酒造」という名前に込めた3つの想い
- 光に向かってひたむきに進み、未来を掴む
「葵」は太陽に向かって成長する植物であり、その花言葉には「野心」「大望」「豊かな実り」があります。私たちは、日本酒の文化を大切にしながらも、新しい価値を生み出し、人々に感動を与える酒造りを目指していきます。 - 人と人とが出会い集まる、幸せで豊かな時間を生み出す
古く「あふひ」と読まれた「葵」は、「神と逢うこと」や「逢う日」を意味し、歴史的に神事や人々の交流に深く関わってきた日本酒文化に通づる点があります。日本酒造りを通じて、人と人とが出会い集まる豊かな時間を生み出します。 - チームの絆を切に、協調性を持って進む
「あおい」という読みは、新体制に移行した現在の蔵のメンバー全員の名前(あおき2名、あべ、どい)からとったものでもあります。各メンバーの個性と才能、これまでの経験を活かし、協力して新たな酒造りと新しい酒蔵づくりに取り組んでいきます。
今後の酒造りについて
160年以上続く蔵に、新しい風を吹き込み、文化を醸す
蔵の始まりは江戸時代、安政年間(1854~1860年)と伝えられ、160年以上前に遡ります。長岡の地で長く酒造りを行ってきた煉瓦造りの酒蔵は大正時代につくられたもので、国の登録有形文化財に指定されています。長岡を意味する「長陵」を主要銘柄に持ち、地域に寄り添った酒を醸してきたこれまでの蔵の歴史を、2024年から新しいチームが受け継ぎます。長岡から日本全国、更に海外へ目を向け、人々の心に響く日本酒を醸す。脈々と続いてきた日本酒の文化に、今の時代にあった観点を加えていく。私たちは、酒造りという営みを通して、地域の皆様と共に、この地をいっそう面白く、古きを知る新しい酒蔵を目指していきます。
2025年2月に新ブランド「Maison Aoi」を立ち上げ、初年度は実験的なシリーズ「Maison Aoi Untitled」をリリースしていきます。また、旧・高橋酒造から引き継いだ「長陵」銘柄に関しても、大切に世に届けていきます。
高橋酒造の起こり
高橋酒造の起こりは、江戸時代末期安政年間(1854~59)に初代・高橋七之助が、長岡城下から城外に出てすぐの栖吉川と福島江が交わる現在の地に「紺屋」を始めたことによります。その後、酒造りをはじめ、その頃の銘柄は「玉雪」でした。合併後の新しい長岡市には16の日本酒蔵元がありますが、旧長岡市の旧市街地区にあるのは今や高橋酒造だけです。住宅地の河畔に立つ姿は一見の価値があります。

赤レンガの煙突が特徴の酒蔵
新しい醸造蔵の建設
大正8年、三代目・高橋榮太郎は新しい醸造蔵の建設に着手しました。この新蔵は、内部は堅牢な木造中心の土蔵造り、そして、外壁は敢えて漆喰を使わず、すべて赤煉瓦造りとなっています。蔵の建設と同時に高さ20メートルの六角形の総レンガ造りの煙突も建設されました。

建物は国の登録有形文化財
長岡空襲を乗り越えた赤レンガ蔵と六角煙突
赤レンガの蔵と六角煙突は、昭和20年の長岡空襲ではかろうじて難を逃れ、さらに昭和39年の新潟地震、そして平成16年の新潟県中越地震では外壁の亀裂や一部崩落など大きな被害を受けながらも、立派に耐え抜きました。平成19年には国の「登録有形文化財」に登録されています。
赤レンガ造りの蔵はまもなく築100年を迎えますが、現在も現役で使用されており、建造時の大正浪漫の趣きを今に伝えています。内側はしっかりとしたコンクリート壁で、内部の温度や湿度は安定して保たれ、酒造りに有効な環境を保っています。

和釜で米を蒸す
主要な銘柄
■Maison Aoi

蔵元・青木里沙と醸造責任者・阿部龍弥の感性と美意識をもとに、調和を感じる味わいとエレガントな飲み口を追求する、新体制でスタートした葵酒造発のブランド
■長陵

160年以上、辛口淡麗の流れに囚われず味わいのある酒を醸し続けてきた長岡の名を冠する銘酒「長陵」の歴史を紡いでいくためのブランド
※2025BY以前のものは旧・高橋酒造から引き継いだお酒です
酒造りへの取り組み
前身の蔵を引き継いだばかりということもあり、設備も限られた状態でのスタートでした。しかしその分、一つひとつの工程を丁寧に、手作業による酒造りを大切にしています。その年に届いた酒米と真摯に向き合うため、極めて小さな仕込み規模に制限し、毎日醪(もろみ)の味を確かめながら、仕込み温度や発酵温度の調整を細かく行っています。
そういった手作業の部分は個性として残しながら、今後もより美味しい日本酒を醸せるよう取り組んでいきます。
目指しているのは、お米の個性や酵母の表情が素直に感じられ、ストレスなくすっと喉を通る上品でエレガントな味わい。ワイングラスで楽しんでいただくことを前提に、香りと味わいのバランスを設計しています。
また、2025年からは蔵のある新潟・長岡での酒米づくりにも本格的に取り組みはじめます。自社栽培に加え、地域の米農家の方々と連携し、「長岡ならでは」「葵酒造ならでは」の日本酒を育てていきたいと考えています。
この土地でしか、この蔵でしか生まれない酒を、世界に届けるために。葵酒造はこれからも、一歩一歩、丁寧に歩みを進めてまいります。
高橋酒造の主な製品
■Maison Aoi Untitled シリーズ



葵酒造株式会社
新潟県長岡市地蔵1-8-2
代表取締役:青木里沙
☎:0258-32-0181
葵酒造株式会社公式HP