会員減少の歯止め策

暮らしのヒント

鏡 實
(首都圏つきがた会会長、えちご蒲原会副会長、組織委員会 副委員長)

コロナ禍でも社交の場を
 コロナ感染症が世界を覆い始めてから3年が経過、いまだ三密を避けて暮らすことを余儀なくされ、不満が募る日々を過ごしております。
 人間が社会を作る上で欠かせない「移動する」「集まる」「対話する」という3つの自由が制限され文化的な暮らしが出来なくなってしまっています。特に人間は「集まる」、社交することによって歓喜や高揚感、生きる力を得、礼儀作法や思いやりの精神を磨き人間力を向上させてきました。その芽を摘んでしまうコロナに屈辱的な想いがします。
 私達が文化的暮らしや生きる力を衰えさせないためには、コロナとの付き合いに創意工夫しながら社交という行為を続け、止めてはならないと思います。

社交は生きる力
 コロナ禍の影響でこの3年余り「集まる会」を中断して来ましたが、その中での暮らし方も種々工夫できる様になり、手始めに所属する郷人会、懇親、集いの会を県人会ふれあい館で実施、堅苦しい総会を省き、遊びとしました。
 「参加者全員ワンスピーチ、ビンゴゲーム、カラオケ、社交ダンス」です。ゲームの1、2等は霜降り牛とふる里特産品を宅配する。遊び心で歓声が沸きました。第7波のコロナ禍でしたが欠席者は一人も出ませんでした。
 次回の要望は、10月東京湾クルーズ会食となりました。また所属するえちご蒲原会で11月同じ会場で同様な遊び会を予定しており、来年新年会は都内スーパー銭湯での小規模宴会を計画しています。
 個人的ですが今年社交ダンスサークルに再入会、会員20名、月3回のレッスンに出向きトキメキライフの一助となっています。コロナ禍であっても社会的距離を適切に取りながら小規模な社交の場を設けることで高揚感のある暮らしが出来、遊びという名で、友人も誘うことが出来、会員減少の歯止めとなり増加にも通じ、まさに社交は生きる力だと思います。

社交ダンス

会員減少歯止め策
 東京新潟県人会は100年以上の歴史を有し、会員の親睦福祉、新潟県との連携発展に大きな功績を得てまいりましたが、永年の経過にともなう今、会運営にマンネリ化を排し、柔軟な対応の岐路にあると思います。今、私達老人は生きがい、楽しさを満たしてくれる社交の場を求めています。
 たしかに県人会には新年祝賀、納涼まつり、芸能大会といった3大イベントがありますが、これはふる里との親睦、会運営のための事業であり、会員一人ひとりの楽しみを満たす参加型社交の場とはなっていません。また、同好会もありますが、クラブに入会しなければ参加できない様ですし、その目的のための活動クラブであって遊びを加味した様には見受けられません。
 会員の多くはフリーの立場で参加できる楽しさを満たす参加型イベントを求めています。そうすれば遊びですから友人知人も誘うことも出来、会員増にも通じますし、減少歯止めにもなるでしょう。
 なぜ今まで遊び心を満たす会運営が出来なかったのでしょうか。

「会員委員会」を提唱
 会員の生きがいや楽しさ、しいては会員増に通じるイベント企画など個々の会員フォローに特化する委員会「会員委員会」といった名称の委員会が無かったのも機縁しているのだと思います。
 すでに六委員会は設けられていますが、会運営機能委員会の様であり、会員の楽しさ、会員増などを演出する役割が明確でなかったように見えます。私が所属する組織委員会にその役割を指示されていますが、名称が厳めしく権威的名称であり、遊び心を誘うには今一、引けてしまいます。
 新会館建設された執行役員の方々のご苦労と勇気に敬意を感じます。しかしながらこれからは新会館を維持するために今まで以上の努力と持続可能の会運営が求められ、それには金を稼ぐ力、留める力、そして会員減少歯止め策に柔軟な発想と企画、実行を願うところです。


◎略 歴◎

鏡 實

鏡 實(かがみ・みのる)
一級建築士
40年間設計会社を経営。
裁判所調停委員20年。
現在は、住宅性能評価検査員。建設会社管理建築士。不動産オーナー経営。
30歳代から奉仕団体、法人格会長等歴任

(会報誌:2022年11月)