東京良寛会 令和6年度「秋の講演会」

会の活動報告

「島崎の良寛さん」講師・羽鳥 仁一(和島良寛会 会長)
「月のうさぎと良寛さん」講師・山田 勝(良寛の里美術館 館長)
日時:2024年11月23日(土)13:00~17:00
会場:東京新潟県人会館(ふれあいふるさと館)2Fホール

 はじめに

この度は、和島良寛会の羽鳥仁一会長と、良寛の里美術館の山田勝館長を講師に迎えて、来賓に新潟県東京事務所の渡辺慎一所長と東京新潟県人会の村山政利副会長を招いて、講演会59名・交流会39名の参加者で集会を行いました。(東京良寛会 会長石井 正一)

講演会「島崎の良寛さん」 羽鳥 仁一

羽鳥会長は、「島崎の良寛さん」と題し、和島の歴史と終焉の地となった島崎で、良寛さんがいかに人々と分け隔てなく日常的な交流をし、まさに和光同塵といえる生活をしておられたかをお話いただきました。
和島は海・山・野の幸に恵まれた地で、旧石器時代に人が生活していて、奈良時代の遺跡から出土した木簡から国の要衝地として栄え、江戸時代は島崎川が新潟と島崎を結ぶ物資輸送に利用され大いに賑わっていたこと、戊辰戦争で島崎地区の三分の二が焼失したこと、良寛さんの葬儀にいかにいろいろな所から大勢の人が集まったかということ、お墓に刻まれた「僧伽」(純粋に仏の道に生きた良寛の生き方を表した重要な漢詩)のこと、和島の中学校では良寛の学習として全校生徒が毎年一緒に遠足し(出雲崎か国上山か与板〜島崎)、帰って俳句を作っていることなど、今も昔も良寛さんと島崎は切っても切れないのです。と話されました。

和島良寛会 羽鳥仁一会長
良寛の里美術館 山田勝 館長
「月のうさぎと良寛さん」山田 勝

続いて山田館長は「月のうさぎと良寛さん」と題して、良寛さんは「月のうさぎ」(インドのお話で、今昔物語にもある)を子どもの頃読んで涙した話、今 良寛さんは忘れられようとしていると話されました。出雲崎良寛記念館、燕市分水良寛史料館、和島良寛の里美術館に来訪する人の多くは60代以上の方で、皆子どもの頃に良寛さんを知って、今になって懐かしいといわれる。年々入館者は減少し、本は千冊以上出ていても読むのは難しい。美術館では親しんでいただけるようにと紹介ビデオを流したり、展示なども工夫している。こうして良寛さんを慕って来られた方とも一緒に私たちの課題を考えてゆきたい。令和8年は良寛と貞心尼の出逢いから200年ということで、全国良寛会長岡大会の開催が決定しました。大勢の方にぜひ参加願います。お待ちしています。とお話されました。

講演会 参加者の皆様
交流会

交流会では、アトラクションとして出雲崎おけさや佐渡おけさが披露され、会食しながら皆様と語らいのひとときを過ごしました。アンケートには、とても良かった、良寛は奥深く、次の世代に継なげたい、話の場所を探訪してみたいなどの感想が寄せられました。首都圏えちご蒲原会や東京牧村会の方々や遠方から多くの皆様に参加していただきました。誠にありがとうございました。

(幹事 清水裕美子)