もっと新潟を知ろう!新潟を知らそう!

暮らしのヒント

村山 政利(東京新潟県人会理事・財務委員長)

 故郷十日町の実家に帰った昨年のある日、「市報」の片隅に目が留まった。「十日町市民環境会議の会員募集!」とある。元の会社の環境委員会にも身を置いてきた経歴、そして現在も環境団体でボランティアをやる身としては関心を持たざるを得ない。

 普段は埼玉県に居を構えているが、早速、事務局である市役所の環境衛生課の扉を叩いた。担当の主査の方は「市民以外で、そうした申し出は初めてだ。」と言いながらも奥に入り上司と相談していた。結果、私は年会費を納め晴れて会員となった。


新潟東部太陽光発電所 [写真 企業局:新潟東部太陽光発電所HPより]

 物事にはタイミングというものがあるようで、一カ月も経たないうちに視察旅行の案内がきた。これは逃すわけにはいかないと思い、山形県長井市の「木質バイオマス発電所」と新潟県阿賀野市の「新潟東部太陽光発電所」の視察に参加した。

 朝早く「十日町クリーンセンター」前に集合した十九名は、二台の車に分かれての長旅となった。運転手は環境衛生課長と主査の二名。本当にご苦労様。まだ新型コロナがあまり話題に上らなかった時期でもあり、最後尾の私の両隣はご高齢の市民の方と現役の市議会議員。興が乗ってくると必然的に市政の話題になる。こうした故郷の話を聞けるのが私の目的の一つ。

 現在の十日町市は、市長が環境問題に非常に熱心であることも手伝い、参加者は現地で質問攻めをし、ご担当者も丁寧に説明してくださった。この報告書はパワーポイントにまとめて環境衛生課に渡し、私の所属する環境団体の情報交換会でも発表した。更に、東京新潟県人会の同好会でもある「新潟県を縁とする業種間交流会」でも若い人たち向けに紹介した。


新潟東部太陽光発電所(2号系列) [写真 企業局:新潟東部太陽光発電所HPより]

 さて、この随想は「もっと新潟を知ろう!新潟を知らそう!」ということで書き始めているので、十日町市民環境会議の話題をもう一つ。

 私の所属する「一般社団法人東京エネルギー情報ネットワークス」は、毎月の会員同士の「研究・情報交換会」や「ビジネスマッチング」を主たる目的としているが、年一回は地方に出かけてボランティア活動や現地視察も行っている。東日本大震災被災地にも複数回出かけている。


十日町市民環境会議。東京エネルギー情報ネットワークス合同情報交換会
(十日町市当間高原ホテル・ベルナティオ)

 しかし、今期はご存じのように活動が思うに任せない。市民環境会議も同様である。緊急事態宣言が発せられていない時期を狙って思い切って「合同情報交換会」を切り出してみた。

 結果、「当間高原リゾートベルナティオ」の結婚披露宴会場を会場に設定し、人数を絞っての開催となった。私は、何回もホテルに足を運び、コロナ対策や会場設定方法の確認を行い、環境団体の9名は車に分乗し「CO2測定器」を片手に十日町に向かった。

 会は四時間超に及び、環境団体からは参考になるであろう情報を選んで六名が発表し、十日町市側からは環境会議会長や環境エネルギー課長が「十日町市の取組み」を報告した。会の最後には、市長も駆けつけてくださりご挨拶も頂いた。

 後に市議会のインターネット中継を視聴すると、先の視察会の車で私の隣に座った市議会議員が「合同情報交換会を踏まえて、これからの環境対策をどうしていくか。」と質問していた。市長は丁寧に回答していた。

 そう。こうした活動は「続ける」ことが大変難しい。だが、コロナ禍でもウイズ・コロナにおいても環境問題は置いていけない。市民環境会議の皆さんと知恵を絞るしかない。

 最後の私の挨拶は「今回参加させていただいた環境団体の皆さん全員は、新潟の、そして十日町の大ファンになった筈です。」で閉められた。それにしても、今冬の新潟の豪雪。稼働中の十日町市の「メガソーラー(太陽光)発電所」や「松之山温泉地熱発電所」の現状に想いを馳せる。
(会報誌:2021年5月)

写真:企業局:新潟東部太陽光発電所