目とメガネ

暮らしのヒント

あなたはメガネをかけていますか? 日本人はメガネをかけている人が多く、3人に1人がメガネをかけ世界で1番多いといわれています。確かに電車の中でもメガネをかけている人は多く、しかも若い女性はコンタクトレンズを使用している人が多いことを考えると3人に1人となるのかもしれません。

日本人には近眼が多い?

 今、電車に乗って驚くのはほとんどの人がスマホにかじりついています。そしてほとんどの人がかなり顔に近づけてスマホを操作しています。実はこの近づけて物を見ることが近眼(近視)となる大きな原因になっているのです。日本人は元来勉強家で、電車の中でも本を読んだりすることが多かったため近眼が多いといわれていました。何故本を読んだり、スマホを操作したりすることがいけないのか、それは「見る距離」に大きな要因があります。皆さんも小さい頃にご両親から「姿勢を良くして物を読み書きしないと眼を悪くするよ。」と言われたことがあるのではないでしょうか?
 正しい姿勢とは約30~35㎝位、身体の大きさによって多少の違いはあるものの30~40㎝くらいが1番目に負担をかけない距離なのです。狭い電車の中では読む距離が20㎝位となって眼に負担をかけているのです。

人間の目の仕組み

 人間の目は近くを見る時にはレンズの役割をする水晶体を膨らませて焦点を合わせ、遠くを見る時はその膨らみをなくして見るのです。近くで物を見る35㎝であれば水晶体の厚さをコントロールし焦点を合わせる筋肉(毛様体筋)にあまり無理がかからないのですが、それより近くなると筋肉の負担が大きくなっていくのです。


目の仕組み

 実験として指を目の前に置き両目でその指を40㎝位からだんだん近づけていって下さい。だんだん目に力が入り、最後はダブって見難くなってしまいます。そのダブり始める距離が近点距離といわれ個人差があります。近視の人は近点距離が短く、目の良い(正視)の人でも水晶体に弾力性があり毛様体筋の強い人は近くまで見ることが出来ます。この近点距離の平常値は約10㎝であり、30㎝となると眼の衰えである老眼と判断されます。
また、目に力を入れて物を読むことが習慣になってしまうと、近視になる大きな原因になってしまいます。いわゆる眼精疲労です。

 眼は大きく分けて近視(遠くが見にくい)、正視、遠視(遠くは良く見えるが近くが見にくい)の3つがあり、そこに近視性乱視と遠視性乱視があります。
これらの度合いによってメガネの必要性が違ってきます。一般的に正視とは視力が1.0から1.2位で、それよりも見えるのが遠視といわれ、近視がマイナスレンズで、遠視はプラスのレンズで矯正されます。
 目とメガネの関係では年齢にも大きく左右されます。ご存じのように体力の落ちる50歳前後になると、目の筋肉で伸び縮みする水晶体の弾力性なども悪くなり遠く近くの視力も落ち込んできます。先の近点距離の問題です。
25㎝位の近くを見るにはプラス2.0の調節力が必要といわれるのですが、目の衰えのためこの調節力を補うのが老眼鏡となり、目の良かった人は老眼鏡をかけないと近くが見難くくなってきます。老眼鏡はプラスレンズで矯正されますので、近眼でマイナスレンズのメガネをかけている人はそのメガネを外すと、距離こそ違え近くに焦点があい読み書きに不自由しなくなり、年配の方がメガネなしで本を読んでいたらその人は近眼なのです。

(寄稿者:佐藤 勝)