三富 與一・画家

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三富 與一(1889~1968)西蒲原郡樋曽に生まれる。1912年県庁に奉職。知事の似顔絵を画いたところ、本格的に画家になることを勧められた。1916年退職し画家を志して上京。中村不折(帝画芸術院会員、太平洋会会員)の門下生となる。フランス留学の後に画家として身を立てた。画壇に背を向けて帰郷し弥彦、三条、長岡などに転居しながら絵を画き続けた。「三富の鯉」と呼ばれるが、画伯の命はむしろ肖像画にある。東京新潟県人会には三富の力作九月十三夜の詩を記録なさる上杉謙信公像「陣中詩情」が伝わる。79才逝去。

衝立「猩々」田巻家・椿寿荘所蔵
衝立「猩々」田巻家・椿寿荘所蔵

(広報誌:2021年10月)