新潟のお米紹介②|つきあかり・みずほの輝きと酒米の違い

暮らしのヒント

新潟のお米と聞いて、まず思い浮かぶのはコシヒカリでしょうか。お米屋さんで「つきあかり」や「みずほの輝き」を見かけて、どんな味なのだろうと思った方もいるかもしれません。

第二部では、新潟で栽培される食用米5品種と、日本酒を造る酒米3品種を紹介します。おにぎりにしたとき、保温したとき、そしてお酒にしたとき。同じお米でも、得意な使い方はさまざまです。

新之助・コシヒカリ・こしいぶきなどの比較は、第一部「新潟のお米6品種を比較」で紹介しています。

つきあかり・みずほの輝きなど、5品種を比較

まずは、毎日のごはんとして食べるお米から。品種名を覚えるなら、炊いた後の特徴と一緒に見ると選びやすくなります。

品種 主な特徴 注目したい使い方
つきあかり 大粒でつやがあり、保温後の食味も良好 炊きたてだけでなく、保温して食べるごはん
みずほの輝き 粒が大きく、冷めてもおいしい おにぎり・お弁当
あきだわら コシヒカリに近い食味と、多く収穫できる性質 毎日のごはん、業務用の米飯
ちほみのり あきたこまち並みの品質・食味を持つ早生品種 中食・外食向けのごはん
あきあかね 大粒でコシヒカリ並みの食味、収穫が遅い 日々の食事、和食・定食

食味は産地や年の気候、精米・炊き方によっても変わります。表は品種の特徴を比べる目安です。

つきあかり

つきあかり

名前からも、つやのあるごはんを思い浮かべたくなる「つきあかり」。農研機構が育成した、大粒で食味の良い早生のお米です。北陸ではコシヒカリより早く収穫できるという特徴もあります。

コシヒカリと比べる際に注目したいのが、炊いてから時間がたったときのおいしさ。農研機構の試験では、炊飯後4時間保温した場合も、食味はコシヒカリと同等以上の評価でした。炊きたての一口だけでは分からない違いですね。

家族の食事時間が少しずれる日など、保温して食べることが多いご家庭なら、試してみたい品種です。

みずほの輝き

みずほの輝き

「みずほの輝き」は、上越の研究拠点で育成された晩生のお米。大きめの粒と、炊き上がりのつやが特徴です。農研機構では、おにぎりやお弁当など、冷めてから食べる用途にも向く品種として紹介しています。

つきあかりが「保温したごはん」で選ぶ候補なら、こちらは「持って出かけるごはん」で覚えておくと分かりやすそうです。いつもと同じ具のおにぎりでも、お米を替えて比べてみる楽しみがあります。

あきだわら

あきだわら

「あきだわら」は、味の良さと収穫量の多さを両立するために育成された品種です。農研機構の評価では、炊いたごはんの食味はコシヒカリに近いとされています。

開発時には、コシヒカリより3割程度多く収穫できることが期待されました。ただし、これは栽培条件を踏まえた評価で、どの田んぼでも必ず同じ差になるわけではありません。

「業務用のお米」と聞くと家庭用とは別物のようですが、食べる人にとってのおいしさと、作る人にとっての収穫しやすさを考えたお米でもあるのです。

ちほみのり

ちほみのり

「ちほ」は、たくさんの穂を表す「千穂」。多くの穂においしいお米が実るように、という意味が名前に込められています。農研機構が育成した、あきたこまち並みの品質と食味を持つ品種です。

早く収穫でき、倒れにくく、収量も確保しやすいことが特徴。新潟県でも栽培に関する研究が行われています。お弁当や外食のごはんは品種名が見えないことも多いですが、こうしたお米が使われる場面にも目を向けたくなります。

あきあかね

あきあかね

「あきあかね」は、コシヒカリより収穫時期が遅い晩生品種。農研機構が育成した大粒のお米で、食味はコシヒカリ並みと評価されています。ほどよい粘りや甘みがあり、食味評価会では和食や定食に合うという評価も得られています。

収穫が遅いことにも意味があります。早く実る品種と組み合わせれば、田んぼの稲刈りが同じ時期に集中するのを避けられるためです。品種の違いは、食卓だけでなく農作業の予定にも関わっているのですね。

五百万石・越淡麗・たかね錦は、どんな酒米?

今度は、ごはんではなく日本酒の原料として使われるお米です。酒瓶に「五百万石使用」「越淡麗100%」などと書かれているのを見たことはありませんか。

ここで紹介する酒米は、酒造りに向く性質を持つ「酒造好適米」です。炊いたごはんの好みとは、少し違う基準で選ばれています。

新潟のお米紹介・酒米

五百万石(ごひゃくまんごく)

新潟で育成され、1957年に命名された代表的な酒米です。粒の中心にある白く見える部分「心白(しんぱく)」が大きいことが特徴で、新潟のすっきりした淡麗な酒造りを支えてきました。

新潟の日本酒を飲み比べるときは、蔵の名前とともに原料米にも注目してみてください。同じ五百万石でも、蔵や造り方による味の違いを楽しめます。

越淡麗(こしたんれい)

「新潟県産の米で大吟醸を造りたい」。そんな酒造業界の要望に応えて、新潟県が育成したのが越淡麗です。親は「山田錦」と「五百万石」。酒米の名前を知っている方には、なるほどと思える組み合わせではないでしょうか。

大粒で、米を大きく削る高度な精白にも耐えられるのが特徴。五百万石と合わせて、普通酒から大吟醸まで県産米で対応する選択肢が広がりました。五百万石との違いを知るなら、「大吟醸向けの精米に対応しやすい」という点が一つの目印です。

たかね錦

たかね錦は長野県で育成された酒米ですが、新潟の酒造りにも使われています。県の2023年の紹介記事では、阿賀町の麒麟山酒造が、五百万石・越淡麗とともにたかね錦を栽培する様子が取り上げられました。

新潟のお酒に使われる米が、すべて新潟生まれの品種とは限らないのも面白いところ。品種が生まれた場所と、その米を育て、酒にする場所の両方に歴史があります。

お米選びで迷ったら、食べる場面から

お弁当やおにぎりを作るなら、まずはみずほの輝き。保温して食べる機会が多いなら、つきあかり。あきだわらやあきあかねも、普段のおかずと一緒に食べ比べてみたい品種です。

一方、日本酒は原料米だけで味が決まるわけではありません。気に入ったお酒のラベルを見て、「この米を使っていたのか」と覚えておくと、次の一本を選ぶ楽しみが増えます。

お米そのものの特徴に加え、水田の水管理や肥料、収穫の時期など、作り手の工夫も欠かせません。新潟米のおいしさは、土地の条件と日々の栽培の積み重ねで生まれています。

第三部:こがねもち・わたぼうしの違いと、寿司・カレー・リゾット向きのお米
第一部:新之助・コシヒカリ・こしいぶきなど6品種の比較

原記事:会報誌2021年9月/広報 鈴木
Web版加筆・情報確認:2026年10月26日。収穫時期は地域や年によって異なります。