七つ詣り 国指定重要文化財「松芋神社」

暮らしのヒント

高槁 徳次

数え年七つになった年の5月8日、早朝四時に家を出て、三里程の道のりを家族に付き添われ徒歩で「権現様の七つ詣り」に出かける。

ここは松代と松之山地域の総鎮守として信仰を受ける「松芋大権現」と呼ばれ、国の重要文化財の「松芋神社」で、5月8日の春の大祭に標高360メートルの松芋山に、毎年数え七歳の男子が初登山に挑み、山頂に鎮座している「松芋神社」に詣出て、元気に育ったお礼と御加護をお願いす
るのである。

 八時からの神主のお祓いを済ませ、付き添いの家族や親類と神社の側で小宴会を開きます。神社の側の出店でお気に入りのおもちゃを買って貰いご満悦だ。遥か昔の幼い頃の懐かし
い思い出である。

松芋神社は大同2年(西暦807年)坂上田村麻呂が奴奈川姫を祀る為に創建したと伝えられ、社殿は明応6年(1497年)建立で木造茅葺で新潟県内最古の建築物として、国の重要文化財に指定されている。

 多くの戦国大名の信仰が厚く上杉謙信奉納の小刀と日の丸の軍配が伝えられている。登山道は松代側と犬伏側にあるが、昔より犬伏集落はかつての「犬伏城」の城下町で松芋神社の氏子として神社を守ってきたのである。褌姿裸で打つ「松芋太鼓」やお盆の頃に行われる「裸祭り」は祭灯篭のみこしを褌だけの男衆が担いで、「わっしょい、わっしょい」と掛け声を掛け合いながら小路を練り歩き、渋海川で体を清め神社でお祓いを受け、家内安全と五穀豊穣を祈るのである。

そして今、本殿屋根葺き替え工事が行われ、改修工事に当たっては国・県・市の助成を受け、地元の負担は400万円と見込まれている。東京松代会でも新年総会の折に30万円の支援金の贈呈をした。他にも伊沢会や山平会等と個々人の支援金が集まっていると聞いた。

葺き替えが完成した時には「松芋大権現」に参拝に行こうと思うこの頃である。

越後なる頚城の東日の出る
松芋神社の朝ぼらけかな 夢暁

参照:新潟県・十日町市HP他 東京松代会会報及び山本 善平氏 指導

写真引用(ウェブ広報:榊):
十日町市HP:https://www.city.tokamachi.lg.jp/
十日町市観光協会:https://www.tokamachishikankou.jp/blog/32032/