第13回 冬の日本海に新年の願いを叫ぶ in 願
木村紀子(県人会・理事会員)
さあ、こころの底から叫べ!
胸の内にうずまく願いごと さかまく荒波のエネルギーがきっとかなえてくれるでしょう
両津から34㎞海中公園の願ねがいにはむかし話「なべづる」と言う二ツ亀の民話が伝承されている。強風とシベリア下しのまさに白龍の荒波とサファイアの海の変化。ダイナミックさと遠雷のような低い響きは想像を絶する極寒。近くには賽の河原があり、佐渡人の精神力の強さを実感。
佐渡國しま海道には小さな道の駅、寄れっ茶屋がある。石井文海(1804~1849)作「佐渡州山水図」がある。父・石井夏海と共に佐渡奉行所の絵図師であり「佐渡一國全図」「佐渡一國海岸全図」「鴨湖八勝図」等歴史的証明である。
私のプリズム思考から「冬の日本海に新年の願いを叫ぶin願」の企画に尽力されているリーダーは計良武彦氏。佐渡の魅力を常に考え実践を続けて二十年。料理の達人であり春風丸船長、計良猛氏の船に乗り修業。海に落ちた事もある。文京一葉忌(東京大学赤門前法真寺)で「炎凍る、一葉の恋」を語った瀬戸内寂聴様の世阿弥研究で佐渡来訪。春風丸に乗り、長谷寺の十一面観音立像の堂に(国重要文化財)入られて長時間出てこられなかったそうである。「佐渡は四番目の故郷」と言って下さった寂聴様。計良氏は遠い昔の料理を創作しテレビ局まで届けた世話人。感性の人。
十文字修氏は井上靖著の「四角な船」の舞台「あの海岸が一番美しい!」と言う海を熱烈に研究し続けている。しかも発見者である。「今の内に何とか調査しなければ理解不可能になってしまう」と懸念。ロマンの人。
平原匡氏との出逢いもあった。濱口鶴藏氏は百年の歴史を重ねた福助屋旅館主人。海を知り尽くした調理人。願集落副区長。新日本紀行に取材され、マスコミ関係者、有名な芸能人に対してのおもてなしの達人。交友の広さと深い人間性で社会貢献。会話とサービス精神溢れ信頼されている人物。おいしい甘酒の無料提供と昼食には野菜たっぷり豚汁のサービス。
昼食後の交流会では十文字氏が映像で井上靖氏の「四角な船」の研究成果を発表。作家の構想力をかりたてた佐渡の美しい海。スケッチも残されている。老女が網を繕う姿にペンの力が沸き起ったのか。「一番に四角な船に乗せてあげたい!」との文学的メッセージが私の心を打った。私は願集落の姉上様方から「来年も来てくれっちゃ」の言葉に感動。海で生き抜く大きな立派な両手の逞しさ、温もりの表情で力強い握手をした。
一分間の叫びは子どもから老若男女等と共に全身のエネルギーで大声を響かせる壮快感を味わえる。さて本年は新思考を凝らしての実施。発想力、構想力、思考力、計画性、自尊感情(自信)責任感、希望、最善を尽くすことに努力を惜しまない心意気、人間を知り人脈の広さを持つ、力強い友情で結ばれたクリエーターの武士道精神、佐渡人の高きプライドを垣間見たのである。
〔主催〕佐渡國しま海道
〔共催〕佐渡市
〔後援〕新潟県佐渡地域振興局、国土交通省新潟国道事務所
〔協力〕佐渡汽船株式会社
(一社)佐渡観光交流機構 いか福@ Sado
冒頭写真:第12回冬の日本海に新年の願いを叫ぶ in 願 2020年1月25日