変わらないために、変わる。新しい吉乃川、始まります

にいがた情報

新潟県人会館で「リブランディングお披露目試飲説明会」を開催

日時:令和8年7月22日(水)
会場:東京新潟県人会館(ふれあいふるさと館)2Fホール

去る7月22日(水)、東京・新潟県人会館(ふれあいふるさと館)2階ホールにて、吉乃川株式会社「リブランディングお披露目試飲説明会」を開催しました。当日は36度を超す猛暑にもかかわらず、卸、酒販店、飲食店など流通に携わる多くの皆様にご来場いただき、説明と試飲を組み合わせた約30分の会を6回にわたり実施しました。

説明の冒頭では、蔵元二十代目の川上将司代表取締役常務が、今回のリブランディングに込めた思いをお伝えしました。吉乃川は天文17(1548)年の創業以来、越後長岡の地で、日々の暮らしや食卓に寄り添う酒を造り続けてきました。県人会の皆様にとっても、故郷を思い起こす身近な銘柄の一つではないでしょうか。

一方、時代とともに家庭での晩酌や外食の風景は変わり、日本酒の楽しみ方や求められる味わいも大きく広がっています。これまでと同じ姿を守るだけでは、吉乃川が大切にしてきた「毎日を豊かにする酒」を、次の世代へ残していくことはできません。そこで掲げたのが「変わらないために、変わる」という決意です。長年培ってきた吉乃川らしさを守るために、今の時代に合う姿へと自らを磨き直す。今回の挑戦は、その覚悟から始まりました。

新たな理念は「お酒づくりを通じて、すべてのひとの豊かな毎日を醸しつづける」。この思いを形にするため、企業理念からロゴマーク、ラベルデザイン、商品体系まで、考え方と見え方を一つの軸で整えました。新しいロゴやデザインには、絶えず流れながら人々の暮らしを支える「川」の姿を重ねています。

川上将司代表取締役常務が、「変わらないために、変わる」という決意と、新しい吉乃川が目指す姿を説明。

商品体系も、役割に応じて「日々の酒」「原点の酒」「特別な酒」「至高の酒」に整理しました。毎日の食事や外食に寄り添う主力商品を中心に、吉乃川が長く培ってきた晩酌酒の価値、技術に新たな魅力を加えた酒、職人技を高い純度で表現する酒まで、選ぶ場面が分かりやすい構成としています。

それに伴い、「極上吉乃川」をはじめ多くの既存商品は役割を終えますが、「厳選辛口」は原点の酒として味わいを受け継ぎ、装いを新たにします。これまでの価値を、次の時代へ手渡すための再編です。新しさだけを追うのではなく、親しみと安心感を大切にしながら、今の食卓へと丁寧につなぎ直しました。そのための挑戦です。

新商品9品の試飲では、酒造りへの思いや味わいの特徴を紹介。参加者から多くの質問が寄せられました。

酒の味わいも改めて見つめ直しました。吉乃川が目指す味を「美味淡麗」と名付け、きれいな酒質を基調に、上品な甘み、穏やかな酸、旨味が調和し、心地よい余韻を残しながら最後はすっと切れる味わいとして再定義しました。

これは従来の吉乃川を否定するものではなく、やわらかさや食事とのなじみ、飲み飽きしない心地よさを、現代の食卓に合わせて進化させたものです。

さらに、造った時のおいしさを飲む瞬間まで届けるため、酒質設計だけでなく品質保持の体制も大きく見直しました。年間を通して計画的に仕込む四季醸造、搾った後の酒をできるだけ空気に触れさせず、やさしく汲んでやさしく送る酸化防止、瓶詰め後に低温で守る冷蔵瓶貯蔵を整備。瓶貯蔵能力は従来の5万本から最大30万本規模へ拡充しました。

試飲会では、新しい商品9品を味わっていただき、藤野杜氏から酒造りへの思いや商品の特徴を説明しました。参加者の皆様からは多くの質問が寄せられ、新しい吉乃川への関心の高さを感じる時間となりました。

多くの既存商品が役割を終え、新しいラインナップへ生まれ変わります。馴染みのある銘柄との別れを残念に思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、吉乃川らしい味わいと、手に取りやすく、きちんとおいしい酒を届ける姿勢は変わりません。

新商品は9月11日に蔵出しし、9月15日以降、順次店頭に並ぶ予定です。東京でも百貨店などで各種催事を予定しています。詳しくは吉乃川公式ホームページをご覧いただき、故郷の酒の新しい一歩に、ぜひご期待ください。
(会報誌:2026年9月号掲載)