実行委員会 斉藤 実
全体のプログラム内容はさらに充実豊富に
10月16日、県人会館ホールで昨年に引き続き、佐渡伝統芸能の集いを開催しました。今回はプログラム内容も豊富で、いつもの佐渡民謡の他に今では佐渡に於いても中々演じられなくなって来ている『佐渡の新春門付け芸「春駒(ハリゴマ)」』や「古調相川音頭」を観賞出来た事は大変良い機会となりました。
この『春駒』はその年の豊作や大漁などを願い、正月に門付けを行う芸能で、かつては全国各地で行われていましたが、現在は佐渡を含め僅か数箇所で継承されているだけです。
佐渡の春駒は2人一組でその内の一人の踊り手は顔の歪んだ木製の面をつけているのが特徴です。踊り手が顔の歪んだ面を被り、お尻には馬の頭部を付け、口上を述べながら踊る奇異なスタイルに初めて観られた方はビックリもしたでしょう。
私は久々に観る『春駒』の踊りに子供の頃の遠い昔を思い出しました。正月が過ぎると、一軒一軒回って踊る春駒の後を数人の子供たちが囃し立てながら追いかけて行く、そんな光景が懐かしく目に浮かんで来ました。
「佐渡伝統芸能の集い」に大いに華を添えた【かっぽれ】
又「古調相川音頭」は日頃見慣れている勇ましい源平軍談記の{相川音頭}よりは時代が古いと言われており、一人一人の素朴な衣装とこんなものを被って踊るのかビックリする被り物、踊りは素朴で且つ神秘的なものを感じました。是を踊れるのは首都圏では今日踊って頂いた団体だけでしょう。
被り物、装飾品も全て出演者一人一人の手作りで意気込みを感じられました。更には若波会と友好団体である長岡工業高校同窓会の方による【かっぽれ】は「首都圏・佐渡伝統芸能の集い」に大いに華を添えて頂きました。
「佐渡の祝い歌」東京湊木遣り愛好会
「佐渡おけさ」若波会
「古調相川音頭」北本おけさ会
「佐渡の新春門付け芸」佐渡・草の会東京支部
「佐渡おけさ輪踊り」参加者全員
フィナーレは恒例「佐渡おけさの輪踊り」
恒例の全員参加の『皆で踊ろう佐渡おけさの輪踊り』は踊り足りなかった人もいたでしょうが時間を調整し、終演とさせて頂きました。
帰り際の参加者に「楽しかったよ、子供の頃の故郷を思い出したよ」、「良かったよ」、「又次回も呼んでよ」等々多くの参加者に声を掛けられホッとしました。
首都圏において佐渡伝統芸能を保存、継承して行くことは年々難しくなって来ているように感じられますが、誰かが引き継いでいかなくてはならない、そして「首都圏からふるさと佐渡を発信!」し続けなければならないと思っています。
この度の「首都圏・佐渡伝統芸能の集い」にご協力頂きました全ての皆様に心から感謝申しあげます。
ありがとうございました。
(会報誌:2022年12月)