妙宣寺(佐渡市)

にいがた情報

県内唯一の五重塔

 順徳上皇に供奉した北面の武士、遠藤為盛(阿仏坊日得上人)が開基と伝えられる妙宣寺は、初め金井新保にありましたが嘉暦元年(1326)雑太城主の本間泰昌の居城付近に移り、後に今の地に移りました。
 文永八年(1271)日蓮聖人が佐度配流の時、日得上人は妻の千日尼と共に深夜ひそかに食物を運んでその厄難を救ったという話は有名です。日蓮真筆の曼荼羅・消息文・日野資朝の写経等を蔵し、墓が残るほか、境内には文政八年(1825)建立の五重塔があります。日光東照宮の五重塔を模した木造・純和風の高さ24.11メートルの県内唯一の五重塔です。相輪は江戸風ですが、組物などは地方色豊かな建造物で、棟梁は相川の茂三右衛門とその婿養子金蔵と伝えられ、親子二代30年がかりで完成させたといわれています。国の重要文化財に指定されています。
(会報誌:2022年1月)