出掛けよう!!

暮らしのヒント

及川 恒夫(総務委員長・東京白根会会長)

 コロナ禍を避けるため「不要不急の外出自粛」、「会食の自粛」、「三密を避ける」などを真面目に守ったお蔭か?運動不足でコロナ太り。これじゃだめじゃんとウォーキングしています。
下を見て歩いてもお金は落ちていませんが、道端に咲く花を鑑賞し、視線を上げると街路樹も色づき始めました。ウォーキングルートは、日によって変ります。


国立スポーツ科学センター

 今回は、JR赤羽駅と十条駅を結ぶ道(愛称「トレセン通り」)を通り、オリンピック関連施設「HPSC」と昔の面影を残す「板橋宿」を回遊します。拙宅(北区西が丘)を出発、直ぐのところに日本のトップアスリートのトレーニング施設「HPSC」に出ます。 <<「HPSC」(ハイパフォーマンススポーツセンター)とは、トップアスリートがスポーツの国際大会でメダルを沢山獲得することを目的に設けられた国立の施設です。「国立スポーツ科学センター」(JISS)と「味の素ナショナルトレーニングセンター」(NTC)の大規模な建物がそびえています。それぞれの機能を一体化して、スポーツの医・科学や情報分野等の高度なサポートと併せ集中的にトレーニングを行う環境の提供を行っています。>>


NTC(味の素ナショナルトレーニングセンター)

「HPSC前に、オリ・パラ競技の概要や古代オリンピックからの歴史などを紹介した看板もあります。館内から選手たちの激しいトレーニングの闘いの模様が聞こえてくるように感じます。1年の延期を経て開催された東京オリンピック2020。テレビ画面に映し出されたアスリートの激闘、笑顔や涙、声を挙げて世界中に発信した感動の渦の数々を思い出します。ソフトボールや野球、柔道、空手、体操、ボクシング、スケートボード、バスケットボール、フェンシング、競泳、卓球、レスリングなど数多くの競技で世界に強さを見せ、日本は史上最多の58個のメダルを獲得したのでした。蔭にこれらの施設が役立ったのです。


板橋

 そこから、数分程歩くと「旧中山道板橋宿」に出ます。板橋宿は中山道69次の中で、1番目の宿場です。日本橋からの距離は2里半で、次の「蕨宿」まで2里10町の所。 <<「中山道」とは江戸時代、日本橋を起点に東海道、中山道、日光街道、奥州街道、甲州街道の五街道の一つです。「板橋宿」は天保15(1844)年の記録によると、長さは2.2KM、町並みの長さは1.7KMで、家数573軒、人口は男1053人、女1395人と記されています。>> 現在は、スーパーやパチンコ店、居酒屋などの店が居並ぶ現代の商店街に変貌しています。通りの脇に有名な「縁切り榎」がそびえており、悪縁を断ち切るには、この「榎の皮」を煎じて飲むと効果があると説明看板。その旧中山道を石神井川が横切っていますが、そこに掛かっている板の橋(現在はコンクリートの橋)が板橋区の地名の由来とか。


加賀前田家・下屋敷跡

 ここで、石神井川の遊歩道に入ります。石神井川は、小平市内にその源を発し、練馬区・板橋区を流下し、北区内で隅田川に合流する都内を流れる一級河川です。桜並木が両岸から川面に大きく枝を張り出して見事な景観です。ほどなく加賀前田家・下屋敷跡(現、加賀公園)があります。春の桜の花が咲く時期は見事です。(この辺りのベンチで休憩)水を飲み一息ついて、歩数計を見ると約6千歩でした。

 今日のウォーキングコースは、この8月のオリンピック選手たちの起こした風を感じながら、約200年前に遡って江戸時代の雰囲気漂う宿場町や大名屋敷跡を散策という贅沢なウォーキングコースの紹介でした。

(2021年10月 会報誌)