雨あがりは一段と輝く苔の美しい国指定名勝庭園
貞観園(ていかんえん)は、江戸時代後期から歴代の当主によって造られてきた、京風の日本庭園です。苔に覆われた美しい庭園には、佐渡産の赤玉石が配置され、豪雪地帯ならではの自然環境の中で独自の風情を育んできました。
歴史と由来
延宝元年(1673年)、初代・村山善兵衛正信が松之山村山家から岡野町に移住し、現在は13代目に受け継がれています。園内の主屋は、儒学者・藍澤南城によって「貞観堂」と名付けられました。昭和12年(1937年)には、国の名勝に指定されています。
庭園の特徴
- 総面積:約11.15ヘクタール
- 形式:詩・俳句・禅・茶の文化を取り入れた回遊式庭園
- 構成:「真」「行」「草」の三区に分かれた構造
- 苔:スギゴケやジャゴケなど百種類を超える苔が自生し、京都・西芳寺に次ぐ規模の「苔の庭」として知られる
この苔が豊かに育つ背景には、霜害が少ない地形的な特性があります。
作庭と文化の交流
八代当主・亀石翁と九代当主・哲斎翁の時代には、小堀遠州の庭園技法や桂離宮の様式が取り入れられ、千利休や両阿弥の風情も反映されるようになりました。亀石翁は、松村宗悦や茶道の玄々斎などと交流を深め、庭づくりの趣味を深めていきました。また、亀石翁の弟は、北越雪譜の著者・鈴木牧之の女婿であり、その縁で、幕府の庭師・九段仁右衛門と藤井友之進を招き、牧之の居宅「秋月庵」の庭を手がけるとともに、岡野町に滞在して貞観園の基礎を築きました。

住所 | 新潟県柏崎市高柳町岡野町593 |
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交通アクセス | ・JR信越本線・越後線「柏崎駅」から岡野町車庫前・じょんのび村行バスで約50分の「貞観園前」下車 ・北越急行ほくほく線「十日町駅」または「まつだい駅」から車で約30分 ・北陸自動車道「柏崎IC」から車で約25分 ・関越自動車道「六日町IC」から車で約45分 |
営業時間 | 開園期間:2025年6月1日(日)~11月30日(日) 開園時間:9時~17時(受付は16時30分まで) 定休日:月曜日(月曜日が祝日の場合は、直近の平日)、12月1日~5月31日 ※強風、強雨の際は、臨時休園いたします。 |
料金 | 一般(高校生以上):500円 小・中学生:250円 |
駐車場 | 普通車:約5台 |
備考 | 国指定文化財(記念物-名勝) ※昭和12(1937)年6月15日、昭和26(1951)年6月9日追加 |
お問合せ | 公益財団法人 貞観園保存会 ☎:0257-41-2100 |
関連サイト | 貞観園公式サイト |