伝統の復活「亀田縞」(新潟市江南区)

にいがた情報

 新潟市江南区の亀田地域で、かつて野良着として織られていた「亀田縞」は、その丈夫さが人々の生活を支え、大正期には生産の全盛期を迎えました。しかし、戦時中、原料の綿糸が入手困難となったことなどから、その歴史に幕を下ろします。

 時は流れ平成17年、今や2社のみとなった機屋が、郷土資料館に残る縞見本帳などを基に亀田縞を復活させます。素朴で優美な伝統色にソフトな風合いと丈夫さを備えた伝統生地は、アパレル製品や小物として人気を博しています。

江南区役所は、亀田縞のブランド化や販路拡大を支援するほか、生産者やデザイナーらと協議会を発足し、地元に愛される亀田縞への取り組みを進めています。庁舎や街中には亀田縞のタペストリーが飾られ、江南区の原風景を美しい藍色が彩っています。

(会報誌:2021年05月)