高橋綱男社長(7代目)
金升酒造は文政5年(1822年)に初代高橋善之助氏が{高橋酒造店}を新潟県北蒲原郡岡片村長戸呂に創業したが、明治16年に同郡濁川村名目所に移転(前地・後地とも現在は新潟市)。大正8年に現在地(旧新発田藩主溝口候御菜園跡地)に移転する事になった。
当時の記録による移転の適地として次の条件が挙げられた。
・水の便よろしき事
・米産地の中央たるべき事
・交通上至便の地たるべき事
・販売地域の拡大たるべき事
・都会地に接近し、子女の教育上便利たるべき事。
昭和5年に現在の工場・居宅が完成し、金升酒造株式会社に組織変更した。昨年6月25・26日に尾久新潟県人会の郷土訪問旅行が実施され、初日は猪苗代湖(昼食)津川の狐の嫁入り屋敷を見学して五頭温泉郷村杉温泉に宿泊した。
同会の富樫庄造幹事長が新発田市の出身であり、甥が金升酒造の高橋巖専務と新発田農業高校の同級生の間柄という関係から酒蔵見学を行い、同専務から製造工場を詳しくご案内頂いた。酒造会社で米焼酎を作っている蔵は少ないが金升では酒蔵の一隅に米焼酎(商品名かねます)を蒸留するポットが置かれていた。
夏の庭園風景
工場見学の後はお楽しみの試飲会で、参加した会員一同ズラリと並んだ金升の各種銘柄を味わっては、好みのタイプのお酒をお土産に購入しました。金升といえば昭和45年に「あかい酒」を売り出し変わった酒として評判をとった記憶がありますが、現在では製造していないとの事でした。金升は製造したお酒がほとんど地元新発田市中心に販売されていて普通手に入りづらいが表参道新潟館ネスパスで買える他食楽園で提供しています。又楽天市場・アマゾン等のネットショップで買う事が来ます。
稲刈り風景
酒は、その土地とちの風土によって独特の味わい薫りを醸し出します。金升の酒は地元産の米で麹を造り、飯豊山系の良質な水を用いて仕込みます。そして、その酒は新発田でとれる山の幸、海の幸と共に飲まれてきた地酒です。私達は、この地で永きに育まれてきた「蔵の佇まい」と共に、酒を取り巻く豊かな生活を皆様に御提案できれば、と考えております。
主な製品
金升 碧ラベル
地元新発田産の酒造好適米、五百万石を麹米に使った普通酒。燗をつけて頂くのがお勧めですが、常温でも美味しく飲めます。
金升 朱ラベル
乙焼酎を添加した「柱焼酎仕込」の清酒です。「桂焼酎仕込」とは江戸元禄期の酒造技術書「童豪酒造記」の中で「味がしゃんとし、足が強く候」とあり、アルコールを強化し清酒の腐造を防ぐ、古来よりの乙焼酎添加製法の事です。
本醸造生酒 金升
原材料は碧と同じですが加熱処理していないので、生酒特有のフレッシュな薫りと味わいを楽しめる。10度位に冷やして飲むのがお勧めです。
本格米焼酎 かねます
純米酒として仕上げた酒を単式蒸留でスッキリした飲み口が身上、ストレート・ロック・チルド・お湯割りで楽しめます。
初花
大吟醸・純米吟醸酒越乃初花・越後の吟醸酒・吟醸生酒・コシヒカリ100%使用純米酒・純米酒・本醸造生酒・本醸造・辛口・吟醸花嫁・純米うたたね・本醸造胡蝶の夢の多彩な種類がある。
精米歩合は大吟醸50%・吟醸55%・純米60%・本醸造65%となっています。
金升蔵カフェ
昭和5年建造の酒蔵を改装した趣のある蔵カフェ。日本酒の仕込み水で淹れたコーヒーや「純米大吟醸ドリア」、新発田の車麩で作った「麩レンチトースト」など酒蔵ならではのメニューが並ぶレトロモダンな蔵カフェですが、4月から10月の間営業しています。街の方々がよく利用しています。
(広報委員長 鈴木 輝雄 2018年4月)
金升酒造株式会社
新潟県新発田市豊町1-9-30
☎:0254-22-3131
HP:https://www.kanemasu-sake.co.jp/