緑川酒造株式会社

にいがた情報

緑川酒造

良質な〈水〉と、徹底的〈温度管理〉の『酒蔵』

 越後中越魚沼(旧小出)地域。清流魚野川の左岸西側、魚沼丘陵の山裾。秋には黄色い稲穂が彼方まで連なる田園地帯。晩秋11 月下旬。こんな田園風景にしっくりと馴染んでいる清酒「緑川」の醸造元・緑川酒造(大平俊治・社長)の社屋(酒蔵)を訪れた。
 緑川酒造は、1884(明治17)年に、旧小出町で創業。1990(平成2)年、小出町の区画整理のため、現在地に移転。この地を選んだのは、ひとえに〈水〉のためという。
 鉄分の少ない良質の軟水。豊富な水量。この魚沼丘陵の得難い伏流水を、現在も敷地内の井戸から汲み上げている。
 移転時。良質な〈水〉の次に力を注いだのが、徹底的な温度管理のできる酒蔵の建築。緑川酒造は、冷房設備の不備の時代から、じっくりとした低温熟成による銘酒を送り出してきたのである。

緑川酒造
蔵周辺は稲穂稔る田圃(秋)

『緑川』を顧客層に確実にお届けする〈特約店システム〉

 緑川酒造のエントランスに入って、まず目に入ったのが、樽酒の『緑川』というブランド・ロゴ(書体)。お迎えいただいた大平社長に、早速伺ってみる。「初代が、自然の緑が好きで、色の〈緑〉に、自然のいいイメージの〈川〉をつけた、と聞いています」。個性的で印象的な〈ロゴ〉は、親戚筋の書家に頼んでできたとのこと。
 大平社長は、現在、新潟県酒造組合会長の要職にあるが、当社では、第5代目の社長。先人の築いてきた酒造りのノウハウと質をしっかりと受け継ぎながら、自身で思い切って変えたのが〈取引先〉。「うちの酒を本当に気に入ってくれる人に託す」という信念で、〈特約店システム〉を推進。不正なネット販売が多い時代、リスク管理も怠りなく行っており、逆トレースできる工夫も始めているという。

緑川酒造
樽酒 緑川

「酒蔵は清潔第一」を徹底的に追求

 実際の酒造りの現場である酒蔵を、社長ご自身の案内で巡る。真新しい白衣をまとい、手の消毒も入念に行う。麹室から貯蔵室まで、ひとわたり案内をいただいて、強い印象を受けたのは、酒蔵=工場全体の「清潔感」であった。
 酒蔵は、なにより清潔第一という。不要な雑菌の混入を避けるためである。「酒造りの半分は掃除と洗いもの」とも。
 緑川酒造では、専門家からの定期的な整理整頓具合のチェックを受け、徹底的に「清潔さ」をキープする環境を整えているのだという。

緑川酒造
麹(こうじ)造り

「緑川」の酒造りの基本

 酒造りの基本は〈米〉と〈水〉。米に関しては、緑川酒造では、100%新潟県産。そのうち多くは地元魚沼で契約栽培されている。精米は魚沼地域の酒造会社2社と共同の自前の精米所で行っている。
 大平社長は「〝おとなしく造る〟というのが、私どもの基本」と語る。「発酵も大事だけれども、貯蔵も大事で、低温である程度長く貯蔵し、お出しするのが私どもの基本」。「最初に飲んだ時〝あれ?〟というくらいするっと入って、でも味わい深く、食と共に楽しめる酒です」と。
(広報・樋口)

「緑川酒造」の銘酒リスト

緑川

緑川酒造
純米 緑川

緑川酒造
大吟醸 緑川

緑川酒造
北穣吟醸 緑川

季節商品

緑川酒造
緑川 正宗

緑川酒造
緑川 雪洞貯蔵酒 緑

緑川酒造
緑川 霞しぼり

緑川酒造株式会社

新潟県魚沼市青島4015-1
☎:025-792-2117
FAX:025-792-6696

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