十日町明石ちぢみ [伝統工芸品]

暮らしのヒント

日本の代表的なきもの織物産地・十日町。その起源は、弥生時代の遺跡からの紡錘車(糸を巻き取る道具)の発見などから、二千有余年前まで遡るという。時代は下って江戸時代。越後妻有では、苧麻(ちょま)を原料とする「越後縮」が盛んに織られていた。これは、緯糸(よこいと)に独特の強い撚りをかけ「縮シワ」を付けた、肌にべとつかない夏衣用織物。越後の特産品として重宝されたとか。明治時代に入り、十日町織物は原料を麻から絹へ転換。今日の代表的な夏着尺・明石ちぢみ(写真左端:縦絣たてかすり・縫取りぼかし染)を生み出したのである。
(資料提供:十日町市博物館)

(広報誌:2020年12月)