新潟県知事 花角 英世
新春ごあいさつ
令和7年の年頭に当たり、東京新潟県人会の皆様に謹んで新春のごあいさつを申し上げます。
昨年1月の能登半島地震では、県内でも大きな被害がありました。改めて、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。県では、国や市町村と連携し、迅速な復旧・復興、なりわい再建支援に取り組んできたところです。近年、自然災害が激甚化・頻発化していることから、防災・減災対策を一層進め、県民の皆様の安全と安心の確保を第一に取り組んでまいります。
県では、県政運営の指針となる最上位の計画である「新潟県総合計画」において、「安全に安心して暮らせる、暮らしやすい新潟」、「地域経済が元気で活力のある新潟」、「県民一人一人が学び、成長し、活躍できる新潟」の3つの将来像を掲げ、政策を展開してまいりました。
今年度はこの総合計画の最終年度にあたることから見直しを進めており、昨年10月には新たな総合計画の素案を公表いたしました。その中で、本県の最重要課題である人口減少問題に対応するため、人口ビジョンを総合計画の一部として位置付け、将来の〝人口定常化〟に向けた将来展望をお示しするとともに、新たに、「子育てに優しい社会の実現」、「持続可能で暮らしやすい地域社会の構築」、「高い付加価値を創出する産業構造への転換」など、中長期的な視点から、分野横断的な対応が必要な6つの重要課題を掲げたところです。今後、県民の皆様からのご意見や議会での議論を踏まえ、今年度中に成案を作成し、「住んでよし、訪れてよしの新潟県」の実現に向け、本年も一層の取組を進めてまいります。
さて、昨年7月、長年の悲願であった「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録が実現しました。登録決定にあたり、これまでご支援、ご協力いただいた全ての関係者の皆様に深く感謝申し上げます。今後は、この素晴らしい遺産の保存・活用にしっかりと取り組み、未来に継承する責務を果たすとともに、国内外の多くの方々に世界文化遺産としての価値や佐渡を含めた県内各地の多様な魅力を積極的に発信し、年間を通じた県内周遊の促進やリピーターの獲得に取り組んでまいります。
また、首都圏での新たな情報発信拠点として、「銀座・新潟情報館 THE NIIGATA」が昨年8月にオープンしました。お客様からは、産地直送の食材や新潟清酒の試飲などを中心に評価いただいており、今後も、多様な県産品の魅力を、その背景にあるストーリーと併せて発信するとともに、訴求力の高いイベントやビジネス商談会を開催するなど、国内外の多くの方々から親しまれ、新潟への人の動きを作り出す情報発信拠点となるよう努めてまいります。
本年4月からは、いよいよ大阪・関西万博が開催されます。万博会場では県の石であるヒスイの展示のほか、本県の食の魅力の発信や、デジタル技術を活用した錦鯉や花火等の県産品の展示など、県内各地の多様な地域資源を来場者に発信し、本県の認知度を高めるとともに、イベント開催や旅行商品の販売など様々な取組を会場内外で行うなど、県全体への誘客を図り、交流人口の拡大につなげてまいります。
こうした取組が新潟県の元気につながることを願うとともに、県といたしましても、県民の皆様とともに飛躍できる1年となるよう、全力で取り組んでまいります。
貴会におかれましては、今後とも首都圏と新潟をつなぐ懸け橋、力強い応援団として御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げるとともに、皆様の御健勝と御多幸を心よりお祈りし、新年のごあいさつといたします。