齋藤明雄・著
佐渡のことを「知る」ための恰好の「新刊」文庫本
佐渡島金山「世界遺産・ユネスコへの推薦」でこのところ佐渡のことをもっと知りたいという要望が一段と高まっている。
本書はこうした要望に応えてくれる、既存の観光ガイドとはひと味違う恰好の書である。
「文豪から伝説まで佐渡の〝そうなんだ〟が詰まった一冊」と「帯」に記されている本書の構成は―
Ⅰ.文学・芸術
一章~十八章
Ⅱ.歴史
一章~五章
Ⅲ.伝説
一章~八章
Ⅳ.経済人
一章~三章
と、大きく4部構成。
太宰治『佐渡』を紹介、巧みに佐渡の実像に導く
Ⅰ文学・芸術.一、太宰治の「北海道と違わない佐渡」を見てみよう。1940(昭和15)年の太宰治の軽妙なタッチの紀行文的小説『佐渡』を紹介しながら佐渡の「実像」へと巧みに導いてくれる著者の手腕は、なかなか見事と感じた。章末の【付記】欄
佐渡の市町村合併
「佐渡は2004年、島内の全市町村が合併して佐渡市となった。ちなみに旧市町村は、両津市と佐渡郡の相川町、沢田町、金井町、畑野町、真野町、小木町、羽茂町、新穂村、及び赤泊村である。市役所は島のほぼ中央部の金井地区に於かれている」という記述も、読者にとっては大変ありがたい配慮と感じた。
(広報・樋口)(会報誌:2022年07月)