日本全国各地を歴訪し、その地の「風土」を深堀
※上記2枚の画像は文庫版の表紙。記事内1番上の白黒写真版の表紙は単行本版の表紙。
本書は、集英社の文芸誌『小説すばる』に1999年1月号から2000年12月号まで2年間にわたり連載されたものを正・続二冊の単行本にまとめられた、その正編である。(発行:2000年・第一刷)
本書の構成は、全12章、
第一章〜第四章 滋賀編
第五章〜第七章 鹿児島編
第八章〜第十一章 新潟編
第十二章 東京編
第一章 余呉湖のほとりの章立てを見てみると―・琵琶湖をめぐる/長浜御坊/狐と狸/昔話と伝説/むべの実/十一面観音を素材に/水上勉〈湖と琴〉/井上靖〈星と祭〉/羽衣伝説……
正編第八〜十一章を占める、阿刀田氏所縁の新潟編
新潟県は、阿刀田氏が、戦時中疎開 、昭和20年8月1日の長岡空襲に遭遇、戦後、多感な中学生時代を三年間過ごした所縁の地。新潟編は、最大三分の一・4章部分を占めている
新潟編各章タイトル
・第八章 虚実こもごも
新潟1 佐渡島
・第九章 黄金島異聞
新潟2 佐渡島
・第十章 人魚の海
新潟3 上越市
・第十一章 翡翠と無用者
新潟4 糸魚川市出雲崎町
それでは、この中の新潟4にスポットを当て、阿刀田氏の足跡をたどってみる。
翡翠の産地・糸魚川から良寛の里・各地へ(新潟4)
大国主命とヌナカワ姫・ヌナカワの美しい玉・糸魚川周辺に翡翠の産地が松本清張〈万葉翡翠〉の研究・あいに荒浜荒砂悪田の渡し・リドル・ストーリー・唐木順三〈無用者の系譜〉・良寛出生の謎
「…地図を見ると、姫川のほかに田海川、青海川が海に注いでいる。姫川は上流で根知川、小滝川…に分かれている。白馬連峰の水を集めて走る渓谷一帯が翡翠を隠す地層なのだ。…」。
「…和島村の良寛の里美術館、最後の庵室のあった木村家と隆泉寺の墓、分水町の良寛資料館、五合庵、乙子神社の草庵などを走りめぐった。良寛の里美術館は華麗である。…」
(広報・樋口)
伝説、民話、童話、小説等の「ものがたり」の舞台を訪ねる本書。続編となる『続 ものがたり風土記』では岩手、徳島、北海道、広島、東京へと前作で訪れ得なかった地を訪ね、検証&思索を続ける内容となっています。
阿刀田 高[アトウダ タカシ]

1935(昭和10)年、東京生れ。早稲田大学文学部卒。国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続け、1978年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。
1979年「来訪者」で日本推理作家協会賞、短編集『ナポレオン狂』で直木賞、1995(平成7)年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞を受賞。
他に『ギリシア神話を知っていますか』『源氏物語を知っていますか』『谷崎潤一郎を知っていますか』『知的創造の作法』『アンブラッセ』『地下水路の夜』など著書多数。2003年紫綬褒章、2009年に旭日中綬章を受章。2018年には文化功労者に選出された。
発行: 株式会社集英社
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