早春告げるカタクリ

にいがた情報

 カタクリは「春の妖精」(スプリング・エフェメラル)と呼ばれています。エフェメラルとは、もともと「はかない命」という意味で、カタクリが1年のうちで地上に出ている期間は、春先の2か月足らずに過ぎず、夏には葉が枯れ、翌年の春まで土中の鱗茎のまま休眠状態で大半を過ごします。新潟県内では4月上旬から5月上旬頃まで楽しめます。

早春告げるカタクリ

 冬は深い雪に閉ざされる秋山郷。どれほど深く積もっても、春になれば雪は消え、ブナやカタクリなどが一斉に芽吹きます。「山笑う」という季語のように、山々が明るく鮮やかになっていくさまに目を奪われます。マイナスイメージばかりに目が行きがちですが、雪はやがて恵の水になってこの大地を潤してくれます。農業が基幹産業の津南町、さて、新しい一年がはじまりますよ。

撮影場所:林道東秋山線
撮影者:小島祐輔